造形活動と描画について

 
 子どもの造形表現活動は、いわゆる作品を作ることが目的の活動ではありません。 幼児が成長に向かうために必要だから、自ら造形遊びに夢中になるのです。子どもにとっての遊びは、子どもの生活そのものと言われます。ですから子どもにとって造形遊びはすなわち生活そのものであると言ってもいいのです。
幼児期にこそ発揮され、十分に磨かれるべき感性や獲得されていくべき能力を保障していくために、「何をするか」よりも「どうするか」の部分を重要視し、子どもにとって意味のある活動となるよう援助しています。


(年長:木)

「何故こんな絵を描いているのか?」 
・・・どんな絵にも子どもの心があります。他の子どもと決して比べないで下さい。大人は絵を「形」で捉えがちです。すなわち大人に分かる絵を描くと褒め、分からない絵は「何だこれは?」と評価しがちです。
しかし、私達が大切にしているのは、「絵は子どもからのメッセージ」として受け止める姿勢です。絵を通して子ども達が私達に語り伝えてくれることに重点を置いています。


(年長:ザリガニ)


塗りつぶしてしまって絵になっていない」

・・・塗りつぶすのは、間違いでも失敗でもありません。「せっかくパンダの絵を描いていたのに、塗りつぶしてしまった、早く取り上げればよかった」なんて論外です。担任も含め、大人にとっては、無意味な塗りつぶしのためにせっかくの1枚の絵を失うことのように思えるかもしれませんが、子どもにとっては1枚の絵が残ることよりも大切な経験をしているのだとも考えられます。子どもにとって今やりたいこと=今やらねばならないことなのだと、心得ておきたいものです。

(年中:きりん)

「画面に対して白い部分が多い」
・・・塗りこんだ絵を求める傾向は、大人のもの。画用紙の元の色が見えているのは未完成の作品という   意識なのです。幼児の感性発達や空間任地の視点から見ると、全く的外れな捉え方です。
 (年中:船)


「人形やキャラクターの絵を描く」
・・・子どもの発達段階の中で特徴的に表出するもので、心配なことではありません。
そして「もっと見栄えのいい作品を作らせて欲しい」
これらはいずれも子どもの表現活動や描画活動の教育的な意義が十分に理解されていないことに起因します。大人の 価値観を子どもに押し付けて判断するのは誤りです。
臼井幼稚園では、子どもの表現活動に重きをおいています。表現とは「自分の思いや考えを表出するもので、指導者の意図の再現ではない」。(千里敬愛幼稚園 小谷隆真先生の文章より)作品主義ではなく、自己表現を通して自己を確立していくと言う表現教育の実践のひとつが描画指導であることを理解して頂けると 幸いです。

(年少:ライオン)

(年中:みかん)

子どもの絵の話を聞いて下さい

 絵について、子どもと話した時、子どもの話を100%受容したいものです。
「嬉しかった!」という気持ちで描いた絵には「嬉しかったんだね!」と一緒に喜んであげて欲しいのです。共感的理解を十分に示してあげることです。ただ「きれいに描けたね」「上手だね」と言った褒め言葉では子どもの「絵で伝えたい」という気持ちは育たないのです。

平成23年度作品


(年少:ミニトマト)


(年中:ライオン)


(年少:とんぼ)


(年長:鬼)


(年長:竜宮城)


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